そこまでやるのか!ユーノスロードスター専門店 |
18歳から30年 それしかできないんで
16からバイクに乗りはじめました。その頃からスピード出すよりも、いじっている方が好きでしたね。改造したり、色塗ったり。学校を卒業したらすぐに自動車に関わる仕事をしたくて、この世界に入りました。やってみたら塗装の仕事はすごく楽しかった。
でも塗装は職人の世界。水かけられたり、ほうきでたたかれたり。まだそんな時代でした。5年たってやっと自分で満足できるシゴトができるようになって24歳で結婚しました。
18歳から30年 今もそれしかできないんで。笑
塗装の仕事の楽しさは、綺麗なものを作れるということ。そして、お客さんが驚き、喜んでくれる顔がいつも思い浮かぶこと。
一度、NAの納車に同行させてもらったことがあります。僕たちのNAに、まるで子供のようにキラキラした目で、駆け寄ってくれたお客さんの笑顔が忘れられません。
そこまでふつうはしないをやってます。
見学会に来てくれたお客さんの驚いた顔も忘れられません。
「こんなにバラバラにして塗装するの?」って。
僕たちのNAは何もないタイヤだけついている状態から塗装に入ります。塗装だけでも3倍以上の時間を掛けてます。
今の塗装はむずかしくて何層にもなっています。それを一つ一つ丁寧にクリアしていかないといけない。
色でむずかしいのは、メタリック系ですね。あらやむらが目立ちやすい。塗装したあとに、離れて見るとよくわかるものなんです。近くで見ていてもわからないときがある。
濃い色は配色やりやすいですが、メタリックはあせやすいので。
仕上げは鏡面加工。徹底的に磨き込みます。そこまでふつうはしないってところまで磨き込んでます。ユーノスロードスター専門店はスタッフ全員で「そこまではふつうはしないだろう」をやってます。
僕の担当なら見えないところ、例えば錆びてしまったエンジンや、ダッシュボードも傷を補修して塗装します。オリジナルはもう手に入らないので。
実は塗装の技術そのものよりも、そこまでの準備に、うまい人と下手な人の差が出ると僕は思ってます。傷んでいる塗装を補修して、小さなへこみも修復して、ひとつひとつ、塗装をはじめる前の下地づくりをやってます。
10日間の塗装工程中、9日間は実は下地づくりなんです。そこまではふつうはしません。「何のためにそこまで」と他の人は思うかもしれません。きっと分からないと思います。
でもNAが本当に好きな人が、僕たちのNAを見れば、その理由がきっと分かってくれると思っています。
南島 正久 (一級塗装士)
天気のいい休日に家族でバーベキューをするのが何よりの楽しみ。三人娘のよき父親。
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